院長ブログ | 地域施設と協力して、地域の健康づくりを行います。日々の健康管理にお役立て下さい。

福井セントラルクリニック 院長ブログ

【血管と血液】

血管は体中に張り巡らされています。その役割は体のすみずみまで細胞に栄養と酸素、温度、水分を届けて代わりに老廃物をもらって排泄器官にまで運ぶことです。血管は動脈、静脈、毛細血管などありますがこれを大人ひとり分をつなげると約9万キロ。実に地球を2周半する長さになるといわれています。
この長い血管を血液は1分くらいで1周してしまいます。ものすごいスピードで私達の体内を流れているのです。私達がごはんを食べないと活動できないように、私達の体をつくる細胞も、酸素がなければ生きて行けないのです。それを送り届けるのが血管なのですからその重要さを改めて感じます。ではこの血管の状態が悪くなればどうなるでしょう。想像してみてください。あなたの家に水を送る水道管がサビてボロボロだったら... 血管の健康を考えた時、体全体に大きな影響を及ぼすことと言えます。
皆さんはテレビや雑誌などで「血液サラサラ」という言葉を聞いたことがあると思います。今や健康な体の血液を表現する代名詞となりました。その正反対ともいえる状態が「ドロドロ血液」です。
血液をドロドロにしてしまう原因に、食べ過ぎや飲み過ぎ、運動不足や睡眠不足、強いストレスや喫煙などの生活習慣が大きく関わっています。これが一時的なものであれば、血液はすぐに元に戻り何も問題はありません。しかしこれらの原因は習慣化してしまっている場合が多く、日々確実にドロドロ血液に向かっているのです。 血液がドロドロになると毛細血管に流れていかなくなります。するとその周辺の細胞が死滅していきます。また太い血管も次第に脂肪やコレステロールが付着し内腔の径が細くなっていきます。これが動脈硬化の始まりであり、このような状態が脳や心臓の血管で起こると、脳梗塞や心筋梗塞を引き起こすのです。 このように血液がドロドロになることで、体の健康にさまざまな悪影響を及ぼします。ドロドロ血液の最大の原因が生活習慣病であるので、私達は毎日の生活を見直し血液を元のサラサラに戻す必要があります。
生活習慣病の予防や治療には定期的な健康診断が必要不可欠です。

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【自律神経に穏やかな効果】

現代の生活は自律神経が乱れやすい状態にあります。リセットする方法として有効なのが、決まった時間に朝日を浴びることです。でも、それが難しいという人はどうしたらいいでしょう。朝時間がない人は夜や仕事が終わってからの時間を有効に使いましょう。
おすすめは『お風呂の活用』です。これからの時期、冷房や冷たい飲み物で体が冷えてしまうので、特に有効です。ぬるめのお湯で時間をかけて半身浴をしましょう。しっかり汗をかくことは自律神経の働きを元に戻してくれます。湯船にアロマオイルをいれたり、塩やお酒をいれて自分なりに心地良い環境をつくるのもお勧めです。
もうひとつはストレッチやヨガ、ウォーキングなど軽く体を動かすことです。これはデスクワークなどが多い人には、お勧めの方法です。仕事で脳ばかり使っていたのを体を動かすことで脳の疲れやストレスを軽くしていきます。心地良い睡眠にもつながりますので寝る前に行うと副交感神経にうまくバトンタッチができます。自律神経にできるだけ負担をかけない方法は難しく考えたり生活を無理に変えようとせずにできるだけ自然の流れに沿って生活することです。一日のなかでメリハリをつけることです。活動する時はしっかり動く、働く、リラックスするときは仕事や日中のことはすっかり忘れて心地良く過ごすことです。これだけでも随分違ってきます。メリハリのある生活は心にも体にも良い影響を与えるものです。


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肉の生食は注意

  • 2011年5月11日

今、新聞・テレビで報道されている「病原性大腸菌O-111」感染のニュース。
<生肉食中毒>富山県の70代女性が死亡 死者は4人に焼き肉チェーン店「焼肉酒家えびす」の集団食中毒で、富山県は5日、県内の70代女性が死亡したことを明らかにした。同チェーン店の食中毒での死者は4人目。(毎日新聞 5月5日(木)9時47分配信)

生肉というのは いろいろな病原体がいます。細菌あり(病原性大腸菌、サルモネラ、カンピロバクタなど)、ウィルスあり、寄生虫あり。
基本的には、生食用として販売される肉はありません。今回は焼き肉店での生ユッケが原因でした。食肉販売業者は生食用とは説明していません。焼き肉店は、生食用でないことを知っていて生肉を提供しています。
お店で食べたお客は、「店で提供している生肉は安全だろう」と思っているかもしれませんが、注意し食べないようにしましょう。レバ刺し・鳥刺し等、本来生食用はありません。
特に子ども、妊婦、高齢者、持病のある人では重症化したり亡くなられる危険性が高くなります。生肉を子どもに食べさせるのは、絶対に止めるべきです。正しい知識を身につけましょう。正しい知識が自分自身や社会を守ってくれると考えます。

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リスク・ファクター手法

いくつかの蔓延している疾病(肥満、糖尿病、高血圧など)には、共通の原因などが関連している。この共通する原因を中心として、情報キャンペーンの展開や環境の整備を推進することで、健康づくりを実現する手法が、共通のリスク・ファクター手法である。この手法を利用することで、たくさんの、そしてばらばらの支援活動における努力の重複や情報の矛盾を防ぎ、限りある資源を有効的に健康づくりへと生かすことができるとされる。また、このリスク・ファクターには、運動不足や喫煙、脂肪分が過剰で繊維質の不足した食習慣、身体の清潔といったものがあげられている。
健康の社会的決定要因が明らかになるにつれ、疾病ごとの対策ではなく、一元化した対策の重要性がよりいっそう強調されてきている。

成人病とは?

かつては加齢による発病に注目していたために成人病(せいじんびょう)と呼ばれたが、長年の生活習慣が深く関与していることが判明してきた。また、生活習慣の激変により、成人していない子どもが糖尿病を発症するというようなケースが増えている。このため、1997年頃から予防できるという認識を醸成することを目的として置換されるようになった。しかし、現在でも呼称として成人病センターや保険の成人病特約などのように広く残っている。

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